広い体育館。

ボールがバウンドする音が聞こえる。

あたしは体育館の隅に座り、コートを眺めていた。







「悪いな、こんなことに付き合わせてしまって」




賢ちゃんはあたしの隣に、あぐらをかいで座っていた。





賢ちゃん家にあった、Tシャツとジャージを着ている。

そして、なんだかやけに似合っている。

こんなあたしたちを、人々は興味深く見ていた。




……といっても、今日いる人は、賢ちゃんと一緒に部活をしていた仲間ばかり。

Fの玄だと興奮されることはなく。

むしろ、あたしに興味を持っているようだった。