「咲良も来いよ。

俺の友達にも紹介したいし」




賢ちゃんはそんなことを言いだす。

無茶があるよ。




それなのに、



「咲良ちゃんも来いよ」



賢ちゃんの友達はすっかり乗り気で。




「色々話聞きてぇ!」




なんて興味津々。




そして案の定、



「俺の咲良にナンパするんじゃねぇよ!」



賢ちゃんが口を尖らせていた。






賢ちゃんの家に来て、家族に挨拶して。

それで終わりだと思っていたのに、なんだか大変なことになってきたな。





あたしは、黙って賢ちゃんの手を握っていた。