賢ちゃんの彼女。
……まてよ。
あたし、とっても大切なことを忘れていた。
あたし、賢ちゃんと賭けをしていたんだ。
新曲が一位になれば……あたしのカラダをあげる。
嘘だぁ……
あたし、とうとう賢ちゃんに……
そんなことを考えているあたしの頭の中を、妄想がぐるぐると渦巻く。
賢ちゃんの優しい顔。
男らしい手。
血管の浮き出た二の腕。
広い胸。
ヤバい、考えただけで気絶しそう。
あたし、どうなるんだろう。
「咲良」
不意に名前を呼ばれて我に返る。
駄目だ、あたし!
森井さんがいるっていうのに、賢ちゃんのことばかり考えている。