必死になって歌詞を考えた。

そして、大輝の作った譜面を練習した。

焦れば焦るほど上手くいかなくて、泣きたくなった。

まさに八方塞がりだ。

新曲も上手くいかないし、賢ちゃんとは別れないといけないかもしれないし。

どうしてこう、問題ばかり発生するのだろう。

せっかく、賢ちゃんと仲直りしたのに。

せっかく、賢ちゃんと上手くいっていたのに。







「じゃ、また明日頑張ろう」




涼しい顔の光樹が去っていく。

そんな光樹の後ろ姿を睨んでいた。




なんでこんなに冷たい光樹が好きだったんだろう。

賢ちゃんのほうが、ずっと優しくてずっと思いやりがある。