賢ちゃんに見ないでと言った。

見られると、緊張してしまうから。





賢ちゃんはリビングで某有名RPGをしていて、それを横目にあたしはご飯を作った。

きっと、賢ちゃんにはがっかりされる。

料理は得意だったけど、賢ちゃんが達人の域だから。

だけど、賢ちゃんに作ってあげられることが嬉しくて。

あたしは頑張っておかずを作る。






キッチンにはよく分からない調味料が並んでいて。

そんなもの、あたしには無縁だった。

醤油とダシと、砂糖にみりん、酒。

そのくらいで十分だ。

そして、ごく普通の肉じゃがと味噌汁、鯖の味噌煮が出来た。

賢ちゃんが作るご飯に比べて、恐ろしく華がなくて見劣りする。