結局、賢ちゃんは帰ってこなかった。

帰ってこない賢ちゃんを待ちながら、あたしは色んなことを考えた。






賢ちゃんと会った日のこと。

すごくドキドキして、夢なんじゃないかと思った。

そして、修也にはめられたり、交際報道があったりで、賢ちゃんを傷つけたこと。

それでも、賢ちゃんは怒らなかった。

賢ちゃんはあたしの気持ちを最優先して、待ってくれた。

ライブで励ましてくれたり、いきなりデートに連れていかれたり。

すごく優しく抱きしめてくれたり。

賢ちゃんは、こんなにあたしを大切にしてくれた。

Fの三人が、今までの賢ちゃんからは考えられないと言うほどに。