「はぁー。

やる気出ねぇな」




スタジオで、悠真がこぼす。

あたしも何だかやる気が出なくて、ボーッと宙を見ていた。

これが中だるみなのかもしれない。

夏フェスという大舞台を終え、何かがプツッと切れたようだった。





「また新曲作らないといけないしね。

プロの世界は辛いね」




大輝がため息をつく。




「まぁ、うちはすごい作詞家がいるからいいけど」



「そうそう。

次は賢ちゃんとの甘い生活でも描けよ」




悠真の言葉に、どっと血が顔に上る。

脳裏に、昨夜のことが鮮明に思い浮かんだ。





駄目だ駄目だ!

何考えてるの、あたし!