「苦情言ってやろうか」 悠真が立ち上がった時…… バタン!! 大きな音を立て、視界が開けた。 続いて、 「何やってんだ、賢一!!」 悲鳴のような笑い声。 そして、 「さぁーセン!」 あたしの大好きな声がした。 目の前の光景に唖然とした。 部屋を仕切っていた襖が倒れていて。 その向こうには、真っ赤な顔の賢ちゃんがいて。 まるで変顔のように白目を剥いて、あたしたちを見ている。