少しウェーブがかった焦げ茶の髪。

健康的な肌に、整った顔。

光樹は、あたしの記憶の中の光樹と、そんなに変わっていなかった。

光樹はこの顔で笑って、あたしを好きと言ってくれて、……

あたしを抱きしめてくれた。






すごくすごく好きだった。

だけど、今となっては昔の話。

光樹と別れてから、しばらくは吹っ切れたように男性と遊んだ。

短いスパンで恋人を変えた。

……てことは、賢ちゃんも知らない。

賢ちゃんのことを散々チャラいと言っておきながら、あたしも相当チャラかったのかもしれない。

だけど、それは光樹を忘れるためだった。

それだけ、光樹のことが好きだった。