亜里沙はたしかに他人に対して全然遠慮しない図太い性格だけど、その分彼女の言葉はどこまでも嘘がない。

 亜里沙の心はいつも正々堂々、真っ直ぐだから。

 だから、自分がちっぽけに感じられる今だからこそ、晴れた空みたいに綺麗な亜里沙の笑い声と言葉を……聞きたい。

「……ポテチと、激辛スナックと、チョコポッキーと、こんにゃくゼリーがいいな」

 あたしは、ちょっとだけ口元を緩めて答えた。

「あとカリカリ小梅と、柿ピーと、味付き茎ワカメも買って」

「奏って将来、ぜったい酒飲みだよね……」

「それと新製品のベルギーチョコ製スイーツも。あ、3個ね」

「ちょっと! あれ税抜きで1個350円もするんだけど!?」

 立ち止まって大声を出した亜里沙を見ながら、あたしは湿った鼻をすすって笑った。

 それを見た亜里沙の唇が、少し安心したように緩む。

「……ま、いっか。特別大サービスだもんね」

 そう言って歩き出した亜里沙の隣に、あたしは小走りで駆け寄る。

 そして今度は、ピタリと肩を並べて一緒に歩いた。