「凱斗、どういうこと?」
「…………」
「ねえ、それ、どういう意味?」
こんなのって、ないよ。
ひどいよ。どうして? なんで?
「どうして? どうして?」
「ごめん。忘れてくれ」
「忘れられるわけない!」
昨日と同じように、今日もあたしを突き放すの!?
それならどうして『好き』なんて言ったの!?
ぐるぐると渦巻くようにあふれてくる疑問を、あたしは容赦なく凱斗にぶつけた。
どうしてあたしを傘に入れられないの?
どうしてもう二度と一緒に下校できないの?
なのにどうしてあたしを抱きしめたの?
いったい何が『ごめん』なの?
でも……凱斗はそのどれにも答えを返してくれなかった。
「本当にごめん。向坂ごめん」
「凱斗!」
「ごめん」


