―― ザーーー!
不意に、窓を叩く雨の音がした。
いつの間にか降り出していた雨が、ひときわ強く外の空気を震わし鳴っている。
その音が聞こえた途端に、凱斗の体が怯えたようにビクリとした。
そしてあたしを抱きしめていた両腕をバッと放す。
夢見心地だったあたしの心が、一気に現実に引き戻された。
込み上げる嫌な予感に、あたしは無言で凱斗を見上げる。
「……ごめん」
一歩、あたしから離れて凱斗は謝った。
その表情と声は、昨日と同じようにとても苦しげに見えた。
「ごめん。なんでもないんだ。今のは忘れてくれ」
「……!」
体中引き裂かれるような衝撃が走り、一瞬で血の気が引いた。
凱斗の言葉がとても信じられなくて、自分の耳を疑ってしまう。
……そんな。忘れてくれって、なに、それ?


