息をするたびに揺れる凱斗の胸が温かい。
あたしを抱きしめる指に、少しずつ、力がこめられていくのを感じる。
凱斗が、ためらうようにそっとあたしの髪に頬を寄せた。
そんな彼の仕草のひとつひとつに、あたしの心は電流が走ったみたいに痺れて震える。
「奏」
凱斗が小さな声であたしの名前を呼んだ。そして、ひと呼吸置いた後……。
「俺、お前の事、ずっと前から好きだった……」
大輪の花がほんの一瞬で開花したように、あたしの全身に喜びが満ちあふれた。
ソーダ水が一斉に弾け回るみたいに、体中に幸せが弾けて踊る。
……凱斗! 凱斗! 凱斗!
あたしは夢中で目の前の濃紺のブレザーに額をすり寄せた。
背の高い凱斗の胸の中で、凱斗の香りに包まれ、全身の感覚すべてで凱斗を感じとる。
喜びが連続花火みたいに爆発してる。
嬉しすぎて、いまにも泣いちゃいそう。とても抑えられない。
幸せで、幸せで、とにかく幸せでたまらなくて、あたしも急いで凱斗に自分の想いを告げようとした。
「凱斗、あたしもね、凱斗の事ずっと……」


