そこには目を丸くした凱斗が、扉に手をかけながら立っていた。
なんでって、それはこっちのセリフなんだけど!
「あたしはここの当番だから。今日はチェックの日だし……。凱斗はどうして?」
気まずさと驚きで波打つ心臓をなだめて、できるだけ自然な口調を心掛けた。
やだ。昨日の今日で凱斗とこうして向き合って会話するなんて。
凱斗も同じように感じているのか、バツの悪そうな顔で答えた。
「今朝、間宮のヤツに頼まれたんだ。俺の清掃場所、ここのすぐ近くだから」
「間宮くん? うちの班のリーダーの?」
「今日は人が足りなくてこっちまで手が回らないから、悪いけど適当に掃き掃除だけでもしといてくれって」
……リーダー間宮ぁぁーー!
あんた、なに余計な気ぃ回してんの!?
しかも、よりによって凱斗に頼むことないじゃん!


