君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨


 あたしも亜里沙と一緒に、担当場所の廊下と水飲み場の掃除を始める。

 今日は班の子がふたりも風邪で学校を休んでるから、手が足りなくて大変だ。

「あれ? そういえば今日って特別教室の清掃チェックもあるんじゃなかったっけ?」

「そうだった! んもー、忙しい時に限って!」

 清掃が終わると毎日、担当の先生が来て仕上がりをチェックされる。

 でも普段あまり使用しない特別教室とかは、週一しかチェックが入らない。

 だからみんな、そっちの担当場所はいつもは放ったらかしにしてるんだけど、今日はたまたま、その週一のチェック日だった。

「あたし行って掃除してくる」

「奏、ひとりで大丈夫?」

「平気。適当にササッと掃き掃除だけしておくから」

 あたしは小走りに担当場所の美術準備室へ向かった。