おじさんも、おばさんも、なすすべも無い苦しみを味わっているんだ。
その苦しみの原因のひとつが、亜里沙の存在だってことは、どうしようもない事実だと思う。
でもそれは亜里沙の責任じゃないし、亜里沙のせいじゃない。
そうだよ! 亜里沙のせいじゃないんだよ!
「だから亜里沙を責めないで! 亜里沙が自分を責めてしまうようなこと、絶対に言わないで!」
「…………」
「謝って! 間違いだって認めて! ふたりとも亜里沙の目の前で、お前は生まれてきてよかったんだって言って!」
おじさんとおばさんは、引きつけられるように亜里沙を見つめた。
悲しみと、憐憫と、それ以外の深いなにかが込められた表情で。
亜里沙はそんなふたりを食い入るように見つめ返し、部屋の中に張りつめた沈黙が流れる。
やがて……おばさんは、耐えきれないように両手で顔を覆って泣き出してしまった。
おじさんは、亜里沙になにかを言おうとして唇を動かしたけれど、結局そのまま口を閉ざしてしまう。
そして両目をギュッと閉じ、噛み千切らんばかりにギリギリと唇を強く噛みしめる。
震えるまつ毛が、うっすらと濡れているように見えた。
「出て……行ってくれ……」


