豪華なリビングが、シーンと静まり返る。
あたしと凱斗は色を失くした表情で、声も出せずに棒立ちしていた。
い、いま、唐突に、すごく重たい事実を聞いた気がする。
その重さのわりに、やたらと軽く言われた気もするけど。
でも、たしかに『離婚』って言ったよね?
離婚って、つまり、亜里沙のお父さんとお母さん、離婚しちゃう、の?
なんでもないような表情で、ダンボールの山を眺めている亜里沙を、あたしは何度もツバを飲み込みながら見ていた。
こんなとき、なにか言わなきゃいけないのか、言うならなにを言えばいいのか、それとも、言っちゃいけないものなのか。
混乱して頭の中がグルグルしている。隣の凱斗もすっかり動揺して目が泳いでしまっているし。
あたしはひたすら、ドクドクと嫌な音をたてる心臓の音を聞きながら、重苦しい沈黙に耐えていた。
「やだちょっと、そんな深刻になんないでよ」
亜里沙は笑って、ソファーに勢いよく座り込んで肩をすくめた。
「突っ立ってないで座ったら?」
って言われたけど、体が動かない。
あたしも凱斗もコンビニのレジ袋を手に持ったまま、無言で突っ立っていた。


