「だから今朝のことだって、亜里沙はあたしのためを真剣に考えて、本気で言ってくれたんだよ!」
そうに決まってるじゃん! だってあたしたち親友同士なんだから!
なのに凱斗ってばひどい言い方して!
「いくら凱斗でも、亜里沙を爬虫類呼ばわりしたら許さないからね! だって亜里沙はあたしの大事な友だちなんだから!」
「…………」
「なに!? なんか言いたいことでもあんの!?」
「いや、なにもない」
凱斗はフルフルと首を横に振った。
「言いたいことは、いまお前がぜんぶ言った」
「……へ?」
あたしはパチパチ瞬きして、沈黙した。
ニコニコしている凱斗の顔をポカぁンと見てるうちに、自分の顔にカーッと血が集まるのを感じて、うつむいてしまう。
凱斗の思惑がいまになってようやく理解できて、自分がすごくすごくすごく恥ずかしい。
うう、か、凱斗ってば……。こんなの反則だよ。ズルイよ……。
「お前、藤森と仲直りしたいか?」
「…………」
「したいのか?」
穏やかな声でそう聞かれて、あたしは素直にコクンとうなづいた。


