「だってあたし、悪くない。悪くないのに謝るなんて嫌だし、そんなの間違ってるもん」
こんなこと言ったら、『ガキみたいなこと言うな』って諭されるのはわかってるけど、つい心の中の不満が口から出てしまった。
そしたら意外な言葉が返ってきた。
「そうだな。お前は悪くない。悪いのは藤森だ」
「え?」
「お前は悪くないんだから、謝るのは藤森の方だと俺も思う」
見上げる凱斗の顔はひどく真面目で、なんだかちょっと怒っているように見える。
凱斗はあたしの味方してくれるんだ……。
そう思ったら、梱包材のプチプチが弾けたみたいな小さな快感が湧き上がった。
……やっぱりそうだよね!? さすが凱斗はちゃんとわかってくれてる!
「悪いのは亜里沙の方だよね!?」
「ああ。あの言い方はないよな。前から思ってたけど、あいつは口が悪すぎるんだよ」
「うん。あたしもそれは思ってた」
亜里沙は、ちょっと人の気持ちを考えなさすぎる。
正直なのはもちろん美徳だけど、それも程度問題だよ。
薬も過ぎれば毒になるんだよ。


