なにもかもぜんぶ、いつもとまったく変わらない。
なのにこんなによそよそしくて、すごく孤独に感じるのは、きっと亜里沙がいないから。
あたしの隣に、いつもいるはずの亜里沙がいないからだ。
それだけで空気が薄く感じられて、こんなに息苦しい。
教室に溢れる楽しそうな話し声や笑い声も、すっかり色褪せて味気なく聞こえてしまう。
こうしてひとりでいる方が、絶対に気楽なはずなのに……。
午後の授業を終えて清掃の時間になり、あたしは持ち場の水飲み場の掃除を始めた。
同じ清掃グループの亜里沙が、すぐ後ろで黙々と掃除の手順を進めている。
この微妙な距離感が、気まずい。非常に気まずい。
体はそっぽを向いているのに、あたしの神経は完全に亜里沙に集中してしまっていた。
そのチグハグ感がたまらなくイライラして、「ああ、もう!」って叫んでしまいたくなる。
こんな精神状態を続けるくらいなら、いっそ話しかけちゃおうかな?
でもこっちから声をかけるのも癪だし、そもそも、なんて言うの?
ケンカした後で最初に交わす常套句といえば、『ごめんね?』ってのが定番だけど。
……なんであたしが『ごめんね?』なの?
だってあたし、悪くないもん。


