こっそり亜里沙の様子を窺うと、亜里沙もひとりで席に座ってお弁当を食べている。
でもその表情はあたしと違って、なんだかまったく平気そうに見えた。
その顔を見たらまたまたカチンときて、
『なにくそ負けるか!』
って気になって、勝手に闘志に火がついてしまう。
だからお昼休みの時間も、あたしはずっと亜里沙を無視し続けた。
もちろん亜里沙の方から、こっちに来ることもない。
お弁当を食べ終えるが早いか、さっさと教室からひとりで出て行ってしまったし。
……どこに行ったのかな?
そういえば授業の合間の休み時間にも、どっかに行ってたみたいだけど。
ひとりでなにしてるんだろう?
って、気がつけば亜里沙のことを考えている自分にハッとして、頭をブンブン振って気を引き締めた。
だめだめ! 気を抜いたらこっちの負けだ!
やることがなくてヒマだから、つい亜里沙のことなんか考えちゃうんだよ。
本でも持ってくればよかったな。まさか亜里沙とケンカするなんて、夢にも思ってなかったから……。
…………。
本当に、夢にも思ってなかったことばかりが起きるんだ。
入江さんのことも、凱斗のことも、亜里沙のことも。


