君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨


 まるで不倶戴天の敵同士みたいに、至近距離で睨み合うあたしたちの真横で、凱斗が必死に事態を収拾しようと努力している。

「お前ら落ち着けって!」

「亜里沙は色白だし、背も高いし、頭もよくて、目がデカくて、おまけに胸までこんなデカくて、お幸せだね! ああうらやましい!」

「あたしはデカ胸じゃない! これはパッド入りのブラだからよ!」

「あたしなんかパッド入ってたって、こんなささやかだよ!」

「おいお前ら! なんの論争してんだよ!」

「あたしが言いたいのはね、こんなささやかな胸だって悩むし、考えるし、傷つくんだってことだよ!」

 それが普通なんだよ!

 人はね、悲しいことがおきれば悲しむし、大変なことがあれば悩むし、苦しかったら、へこむんだよ!

 そして耐えきれないことがおきれば……耐えきれなくなるんだよ!

 当たり前じゃん!

 でも亜里沙には、そんな当たり前のことが理解できないんでしょうね!

 なんせ強くてカッコよくて、人もうらやむ美少女だもん!

 完璧な人間にはくだらない悩みなんか、ひとっつもないんでしょうよ!

「そんな亜里沙に相談したあたしが、亜里沙の言う通り、たしかにバカの極みでした!」

「だったらもう二度とあたしに、こんなくっだらない話聞かせないで!」