君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨


「それは流産の事故のことか?」

「違う。いい? 命ってのはね、病死や犯罪や一部の事故死以外は、本人の責任なの。生きるも死ぬも本人次第」

 色素の薄い亜里沙の真っ直ぐな髪が、窓越しに差し込む柔らかな朝日に照らされて艶やかにきらめいた。

 そんな美しさが信じられないくらい恐ろしく厳しい目つきで、亜里沙は言葉を続ける。

「入江さんは自分の責任において、死を選んだの。それについては誰も責任を負えないし、誰を責めるべきでも、責められるべきでもないの」

「そ……!」

 やっと出てきた声が喉に引っ掛かって、裏返ってしまってた。

 胸に手を当ててケホケホ何度も咳き込んで、どうにか息を整えて反論する。

「そんなの変だよ!」

「変じゃない。真っ当な理屈でしょ?」

「亜里沙はあの日記を読んでいないから、そんなこと言えるんだよ! あの日記を読めば冗談でもそんなこと言えない!」

「おい向坂、お前こそちょっと声デカいんだよ。少し抑えろ」

 凱斗が周囲にチラチラと目を配りながら、声をひそめて注意したけど、それどころじゃなかった。