あたしの機嫌をとるように、一生懸命に笑顔で話しかけてくるご両親。
お父さんが『ほら小花、返事は!?』って言ってるけど、あたしは頭が真っ白になってしまって、なにがなにやら。
なんの反応も返さないあたしを見て、ご両親が困ったように顔を見合っている。
新しいお母さんが、そんなあたしたちを強張った表情で見つめている。
周り中が気まずい空気に包まれて、やっと状況が理解できた。
……あたし、失敗しちゃったんだ。どうしよう。
どうしよう。そんなつもりじゃなかったのに、どうしよう。
全身から汗がドッと吹き出して、心臓がバクバクして、顔を上げるのも怖くて、下を向いた。
そしたら、誰かがコソコソとささやく声がした。
『これはかなり手強そうね』
心臓に氷のナイフが深く刺さったみたいに、思い切りズキンと痛んで、体中が冷たくなった。
違うのに。違うのに。違うのに。
でも、なにをどんな風に伝えれば、あたしの気持ちが通じるのかわからない。
周り中をグルッと大人に囲まれて、あたしはなにも言えない。


