いきなりそんなの、呼びにくい。
それに、馴れ馴れしい子だって思われるかもしれない。
だってふたり共、お父さんより少し年上なだけなのに。
急に中学生から、おじいちゃんおばあちゃん呼ばわりされたら、気分悪いかもしれない。
バスや電車で席を譲ろうとして、『年寄り扱いするな』って、逆に怒られたって話を聞いたことあるし。
やっぱり、いきなりそんな風に呼ぶのはまだ早いし、失礼だって思った。
だから、
『こんにちは。◯◯さん』
って、名字で呼んで、できるだけ丁寧に頭を下げた。
そしたら、急に周りがシーンと静まり返ってしまった。
どうしたんだろうってビックリして顔を上げたら、全員、困ったように目配せし合っている。
意味がわからなくてポカンとしていたら、お父さんに叱られた。
『小花! なんだその、素っ気ない挨拶は! もう家族なんだから『おじいちゃん、おばあちゃん』だろう!』
『いやいや、入江さん、私らはいいんですよ』
『そうですよ。いきなりはまだ無理ですよ』
『申し訳ありません! 私のしつけが行き届きませんで!』
『これから時間をかけて、受け入れてもらえばいいんですから』
『ゆっくり仲良くなっていきましょうね。小花ちゃん』


