君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨


 みんなそんな早くから、将来のことをしっかり考えてるものなの?

 じゃあ、まだ全然考えられないあたしって、ダメな子なのかな? やっぱり頭悪いから?

 ダメな子って思われたくない。ガッカリされたくないんだ。

 恋人さんは頭が良さそうだから、

『こんなデキの悪い子の母親になるなんて』

 って嫌われちゃったら、どうしよう。

 だから勉強のことも、将来の夢も、恋人さんに気に入ってもらえるような、一番いい答えを言わなきゃって思う。

 お父さんの幸せためにも絶対失敗できないって、すごく思う。

 ……でも、それって難しい。

 恋人さんがどんな答えを気に入るのか、あたし知らないし。

 あたし、恋人さんとはもっと、普通のおしゃべりがしたいな……。

 好きな科目とか、志望校とか、そういう面接みたいなことじゃなく。

 美弥と話すみたいなこと、話してみたい。

 担任のグチとか、苦手なクラスメイトのこととか、この前の球技大会で、うちのチームが優勝したこととか。

 そしたら、もっと仲良くなれそうな気がする。

 でもそんな話、きっと恋人さんはしたくないんだよね?

 だって恋人さんはもう、大人なんだもの。

 大人は、子どもとは全然違うから。

 だからあたしが、もっとちゃんと頑張らなきゃならないんだ。

 今度こそあたし、お父さんにも恋人さんにも満足してもらえるように頑張るんだ。