『あたしのせいで入江さんは死んだのに。そのあたしが、まだ凱斗を想っていても許されるの?』
それは昨日、凱斗から事実を知らされた瞬間から、芽生えていた思いだった。
でも……ずっと気づかない振りしてた。
『許されないんだよ』って自分の答えを、聞きたくなかったから。
入江さんのことを思えば、どうしても自分の凱斗への気持ちを、申し訳ないと思ってしまう。
それでもあたしは凱斗のことが好き。
今でも、この気持ちに変わりはない。
あたしと凱斗の、お互いの想いは叶わないかもしれないけど。
だからこそ、せめて好きな気持ちだけは持ち続けていたかった。
せめて、好きな気持ちだけは……。
「好きなんですか? まだ好きなの?」
それすらも許さないように、中尾さんは問い続ける。
なんだか小馬鹿にしているみたいな冷たい目をして、見下すような口調で。
あたしの心の中で一番綺麗で、一番確かな、凱斗を思い続ける部分を軽蔑するみたいに。
……そんなの嫌だ。それだけは嫌。
凱斗を好きでいる、この気持ちだけは、どうしても譲りたくない。


