君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨


「たぶん同じクラスの子だよ。たしか1年2組だったよね?」

 そう言って亜里沙は階段をタタタ……と軽快に駆け上がる。

 同じようにあたしも駆け上がろうとしたけど、なにせ疲弊しきっているから、足が動かない。

「あ、亜里沙……待って……」

「奏、遅い! 先行くよ!」

 亜里沙はアッサリあたしを見捨てた。

 ちょっと亜里沙! あたしが当事者なんだけど!

 見捨てられたあたしは、根性で重い足を持ち上げ、手すりにつかまってヒィヒィ言いながら階段を上る。

 なんで1年生の教室って4階なの? 太もも痙攣しそう……。

 やっとの思いで2組の教室が見える所までたどり着いたら、亜里沙が入り口で男子生徒と話していた。

「そう。入江さんと仲が良かったのは、中尾美弥(なかお みや)って子なのね?」

「はあ、そうっスけど」

 亜里沙はシルクのように滑らかな頬を緩め、天使みたいに微笑んでいる。

 琥珀色の可憐な瞳でジーッと見つめられた1年男子は、妙にぶっきらぼうな口調で、でも顔がしっかり赤い。

「中尾さん、まだいる? もう帰ったかな?」

「たぶん中庭っスよ。あいつ今週花壇の当番だから」

「そう、ありがとうね」