実際、睡眠不足で受ける授業はものすごくキツくて、予想以上にハードな一日だった。
今頃になって体が睡眠を要求してきて、頬杖で支えた顎が何度もガクッとずり落ちる。
そのたびに先生にジロッと睨まれて、冷や汗をかいた。
お弁当を食べた後の、古典の授業なんてもう最悪。先生の声が怪しい呪文にしか聞こえない。
トドメに六時間目の体育は持久走だった。
校庭を何周も汗まみれになってグルグル走ってるうちに、目の前がチカチカしてきて。
冗談抜きでこのまま倒れるかと思った。
やっと放課後になったときには、体力を使い果たしたあたしは、油断すると魂がどっかに飛んで行きそうなほど危険な状態。
亜里沙が一日中ずっと横でサポートしてくれたから、なんとか無事に過ごせたけど。
「凱斗は、どうしてるのかな……?」
亜里沙と一緒に生徒玄関へ向かいながら、改めて凱斗のことが心配になった。
今日一日を過ごしてみてわかった。大きな悩みを抱えながら普通に日常を過ごすって、本当に大変なことなんだ。
凱斗はこんな日常を、もう一ヵ月も続けてる。
凱斗にも亜里沙みたいな、事情を知って支えてくれる人がいるのかな?
「いないんじゃない? あいつ無駄にプライド高そうだし」
「相談、しづらいよね。やっぱり」


