「さて、今日はどこ行こうか」

車を運転しながら、岡田さんは私に聞く。
片手でハンドルを器用に動かし、右手はドア窓のへりに肘をついて寛いでいる。
流れていく外の明かりが岡田さんの顔を映し、やけに色っぽくてドキリとしてしまう。

岡田さんに送ってもらうと、そのまま家に帰される事はない。
必ずどこかに食事に行ったり、遊びに行ったり、2人の時間を共有してから帰る。
それも最初は抵抗していたけど、なんだかんだで楽しいから断るのを止めた。

でもさ、これって付き合っているのと変わらないような気がすんだよなぁ。
ただ身体の関係がないだけで。

メールもするし、電話もするし、こうやってどっかに行ったりして。
カップルなら普通の事を私達もやっている。

・・・なんか、岡田さんの策略にハマっているような。
後は自分の気持ち次第だよ、と言われているような。

うーん・・・。