「そこが逆に魅力だと思わない?身なりとか気にせずに仕事に真剣に打ち込んでる姿が、とても美しいと思うんだけど」

「う、美しいって」

赤面しちゃうような恥ずかしい言葉を、さりげなく言うんじゃない!

思わずビールに逃げた。
アルコールが身体に回らないと、恥ずかしすぎておかしくなりそうだったから。

「・・・変な人ですね、岡田さんって」

「それは昔からよく言われてた。でも人の好みなんてそれぞれでしょ?誰もが皆綺麗な人を好きになる訳じゃないよ」

それはそうですけど。
でもだからって・・・。

「うーん・・・。やっぱり考えても良く分からない」

「だからさ、試しに付き合ってみない?」

「は!?ないないない、ないです!ごめんなさい、付き合えないです!」

私は断った。
好きでもない人と付き合えるほど器用でもない。

むしろ、人と付き合うのなんて面倒臭いと思っているくらいだ。
昔付き合っていた男と別れたのも、定期的に会うのが面倒臭くなったからで。

そのくらい億劫なのだ、人と付き合うってのは。
ひとりでのびのびと過ごしたい。気兼ねなく自由に時間を使いたい。

こんなカッコいい人に好かれるのは悪い気はしないが、付き合うのだけは勘弁願いたい。