「じゃ、まず乾杯ね」

ジョッキを私の前に出してきたので、仕方なく合わせる。
キン、とガラスの当たる音がして、それぞれ口に運んだ。

やはり仕事後の一杯は最高である。

しかもいつもは飲む事がない、生ビール。
のどごし最高、スッキリ爽快、非熱処理最高!
そのまま私は口からジョッキを離さずに、一気に飲み干した。

「・・・おごりなんですよね、おかわりください」

「い、いい飲みっぷりだね。オッケー」

岡田さんは少したじろいでいるようだが、そんな事は気にしない。
おごりだって言うし、無理矢理連れられてきたんだし、どうせだからしこたま飲んでやる。

大体、男だらけの工場で働いているのだ。
周りは酒豪揃い。
飲めなきゃ工場の飲み会なんてやっていられない。

カクテルで酔っちゃうような、なまっちょろい女じゃないんだよ、こっちは。
ちなみに大好きなのはアイラ地方のスコッチウィスキーをストレートでちびちびやることだよ、このやろう。
・・・高くて早々買えないけど。

幸い明日は休み。腐るほど飲めるぞ。
どうせなら高いお酒をバンバン頼んでやる。

そんな事を思っていると、おかわりのビールと岡田さんが頼んだつまみやら料理やらがどんどんと運ばれてきた。