・・・どうしてこうなった。

私の目の前には、ビールとお通しが置いてある。
で、その先には岡田さんが座ってニコニコとしていた。

車を20分ほど走らせて着いたのは、住宅街の中心にある小さな居酒屋。
岡田さんはこの居酒屋の近くに住んでいて、マンションの駐車場に車を置くと、この居酒屋まで歩いた。

その間も私は腕を掴まれていて、逃げられなかった。
もう逃げませんから、と言ったのだが、信用ないらしい。
その掴まれた腕は居酒屋に着くまで放される事はなかった。


居酒屋に着くと、岡田さんは常連なのか片手を上げ親しげに挨拶をする。
居酒屋の店主はまじまじと私を見つめた後、ニヤリと笑みを浮かべ個室へと通された。

どうやら、何か勘違いをしている。
違うんだ、私はこの人とは何も関係はないんだ。


そう言いたかったが、引きずられるようにして個室へと入らされてしまった。