「おー? 男の子なんですか」


「男ですけど、何か?」


「いやぁ、綺麗なお顔してますなぁ」



ツンとしたフリュイの態度に構わず、面白いものを見つけた、とでもいうようなリーシャの瞳は彼に釘付けだ。


まじまじと見つめられて、フリュイはムッとした顔に眉間に皺を寄せた。



「そんなに見ないでほしいんですが?」


「あ、ごめんなさい」



へへ、と笑ったリーシャは、いつの間にミルクティーを淹れ終えたのかコト、とティーカップをフリュイの前に置いた。



「お初にお目にかかります。リーシャです。バベルとレティとは幼少期からの仲でして、私、自称2人の親友です」



可愛らしい愛嬌を振りまいてリーシャが、えっへん、と胸を張る。



「え、親友でしょ!」



………ん?

リーシャの言う “自称” を拒否しようと、上げた声が、隣の声と重なった。

隣を見ると、そこにいるのは依然としてフリュイの姿。


なんで?


何故フリュイは、リーシャの言うことを否定したんだ?


初対面じゃないのか?


それ以前に、僕ら3人の仲の良さを知っているのか?


え?


こいつ、本当に何者……。