「今もそうみたいだけど、って?」
「あ、10年前から会ってないけれど、最近まで手紙のやり取りをしていたんだ」
「手紙、かぁ」
「レティシア、字がすごく綺麗なんだよ」
彼女から送られてくる手紙は滑らかな線が並んでいて、その字を見るのが好きだった。
僕のことを考えながら書いてくれたのかな、と思うともう嬉しくてたまらなかった。
「この間は、ひまわりに囲まれた写真を送ってくれたんだ」
鞄から、大事にしまっているその写真を引っ張り出す。
はにかむその可愛らしい顔は、僕の大好きな笑顔だ。
ねだって買ってもらったらしい麦わら帽子を頭につけて、ふんわりしたワンピース寄りのドレスが軽やかに揺れていた。
「わぁ、素敵」
「だろ。可愛すぎて死ぬかと思った」
「え。これで死ぬようじゃ結婚なんて出来ないじゃん」
「生きます結婚します」
彼女の話をしていると、微笑ましくなって、自然と口がだらしなく緩む。


