瑠璃色の姫君




せっかく身長が高くて格好いいのに、背中が丸まってしまって、だらしない。



「謝ることじゃないわ。格好悪いわ、ピシッとしなさいよ」


「はい」



ピシッと背筋を伸ばしたジル。


謝ることではないわ。


だけど、言わされていた言葉に自分が喜んでしまったことが少し恥ずかしいというだけよ。



「バベル達がいたのは、いつからなのかしら?」


「ロゼア様を呼び捨てでお呼びするところからです」


「ふーん」



ということは、あの時名前で呼んだのも、言わされていたというの?


それは何か気に入らないわね。



「じゃあ、ジル」


「はい」


「私の名前、呼んでみて」


「えっ?」


「あなたの言葉で聞きたいの。〝様〟なんていらないのよ」



そう言えば、ジルは小さく頷いて何度か深呼吸をした。


さっきとは違った緊張感があるらしい。


私もカールされた髪を整えて、準備万端。



「よ、よろしいですか」


「ええ、いつでもどうぞ」


「…はい。ではお手を」



ジルが私の両の手を取り、自分の手で包み込んだ。