勢いよく振り返ると、そこには隠れきれていない金春色と瑠璃色があった。
「バベル、レティ、出てきてくれるかしら」
「……はぁい」
渋々顔を出したのは、我が国シュトラントの王子の1人であるバベルと隣国オリーヴェンからバベルの元へ嫁いできた姫君、レティシアである。
「こら、ジル。バベルの名前呼んじゃったらバレるに決まってるでしょ」
「そうそう。あとね、もっと感情込めなきゃ『愛』は伝わらないよ?」
「も、申し訳ございません…」
悪びれることもなく、ズケズケとジルにダメ出しをする2人。
どうやら2人が考えた言葉をジルが言わされていたということみたい。
「ジルに見本見せてあげる! あのね、こうやって彼女の目を見て言うんだよ。ちょっとレティこっち見て!」
「やだ、恥ずかしいから!」
「ワガママ言わないで。見本みせなきゃジルが出来ないだろ」
「うう……」
呻くレティの顔を自分の方に向かせて、バベルがにっこりと愛らしい笑顔をレティシアに見せた。
「愛してるよ、レティ」
「もう……っ、無理やだ恥ずかしい…」
………何をしているのでしょうね、この人達は。


