「ルディ! フリュイはっ、どこなんだっ」
息が荒いままルディを追いかけていれば、いつの間にか闇市を抜けていて、僕らはタイルの地面の上にいた。
ジーノを置いてきてしまったことなんて覚えてもいなかった。
と、声をかけたところでルディの羽が休まり、僕の肩に降りてきた。
「ルディ?」
ルディは真っ直ぐに何かを見ていた。
ルディが見る方向を辿って、僕もその光景を目に入れた。
そして、声を張った。
「フリュイっ!!!」
フリュイが騎士の馬車に乗せられそうになっていたのだ。
見た限りでは、フリュイは競りで騎士に落とされたようだ。
確か、フリュイはオリーヴェンの騎士から逃げていると言っていたことがあった。
あの時だ。
生きた心地がしなかったと感じた、騎士がすぐ側にいるところで身を潜めていたあの時だ。
捕まりたくないと言っていた。
だったら、いやそうじゃなくても、フリュイを連れ去るしか僕の中に選択肢はない。
「あ! バ……」
フリュイは僕の姿を視界に捉えて、それから何故か僕の名を呼ぶのをやめた。
「フリュイ?」
え?
小さく首を振ったフリュイ。
それはどういう意味?
とりあえず動きを止めてフリュイの指示を待とうかと騎士から見えないように、物陰に身を潜める。
そこからフリュイを見ていれば、
「あーーーーーっ!!!」
なんとも大胆に大声を上げた。
その耳によく響く声のせいで、騎士達は耳に手を当て腰を曲げた。
それを彼は狙っていたのであろう。
えっ、何、どうした、フリュイ!?
なんて思っていれば、いつの間にかこっちにフリュイが走ってきて、
「えっ、フリュ」
「黙って走って!」
フリュイに腕を掴まれて、僕は変な走り方でその場を去ることになった。


