噛み締めた唇から、鮮血がほとばしる。 籠から出た鳥を、また籠に閉じ込めるような真似をされて堪るものか。 ならばいっそ。 「わたくし……あげはの為なら、地獄に堕ちても構わないわ」 ぎらり、珠喜の瞳に宿った光に気づいたものは誰も居ない。