遙は一言でいえば不思議な人だ。優しいけれど、掴み所がないような。 「蝶子はこの部屋を使っていいから」 そう言い残して、遙は部屋を出ていった。 遙の言動には多少の戸惑いを感じていたものの、緊張と疲れもあってか蝶子はそのまま眠りについてしまった。