「先生は?」 遊喜が尋ねると、里緒菜と雪菜が青ざめた顔を見合わせた。 2人とも様子がおかしい。 「いないんだ、誰も…。職員室は空っぽで、どの教室にも先生だけじゃなくて、1年生も、2年生も、3年生も…クラスの皆以外、誰も…」 里緒菜の言葉に、 クラスメイトがざわめく。 「どういうこと……」 ざわめきが更に広がる。 思い立つよりも早く、遙が職員室に向かって走り出した。 私も、遙を追った。