生徒玄関へ行くと、
数名のクラスメイトが溜まっていた。


「何してるの?」


クラスメイトの中にいた郁に尋ねると、郁も首をかしげた。


「なんか玄関が空かないんだって〜」


引き違いになった玄関の扉を、
同じクラスの蒼と拓馬がこじ開けようとしていた。


「鍵は?」


「掛かってないらしい。今、里緒菜と雪菜が先生呼びに行ってる」


夏期の問に遙が答えた。

どういう事なんだろう?
鍵が掛かってないのに開かないなんて…。


そこへ、職員室に先生を呼びに言ったという、里緒菜と雪菜が緊張した面持ちで帰ってきた。