それを引き金に、みんなも教室を出ていき始める。
しかし、足取りは重い。


「俺たちも、行こうか。ずっとこの教室にいるのは…辛い…」


夏期が健をチラリと一瞥して俯いた。

たしかに、その通りだった。

鼻に付く異臭。
異様なまでに広がる血溜まり。
そして、クラスメイトの死体。

一刻も早く、此処から出たい。
此処から、逃げ出したかった。

私たち5人は後ろ髪を引かれる思いで
教室を後にした。


健、ごめん。


けれど、
この想いはもう、
届かない。