『それでは、第1夜の始まりです。教室の扉を開放します。午後0時に、またお会いしましょう』


ブチッと音がして放送が切れた。


女子のすすり泣く声と、
戸惑いの空気に包まれた教室内。


私は全身の力が抜けて、その場にへたり込んだ。


「理奈…」


遙がしゃがみこんで、
倒れそうになった上半身を支えてくれる。


「たけ、る、死んだ、のか……」


健の亡骸の前に尻餅をついた綾人が、
口をパクパクとさせて震えた声を絞り出す。

綾人の身体は全身血だるまで、
長めの黒い前髪からは赤黒い血が滴っていた。