生け贄の教室

『それでは、役職を決めるルーレットを始めますので、お手元のタブレットに指紋を認証してください』


パニック状態の教室内には、
キラーの言葉が全く伝わっていない。


「お願い!私を殺さないで!」


「俺だ!俺を殺さないでくれ!」


口々に命を乞うクラスメイトたち。

まるで、地獄を見ているようだった。


『ご安心下さい。ルールさえ守って下されば、ゲーム以外で私から手を下すことはございません』


ルールさえ守っていれば……。
私は自分の身を守る為、回らない頭で必死に考える。

ルールさえ守っていれば、命の安全は保証される。
逆に言えば、ここではキラーの言うことは絶対。

逆らえば、即殺される。