生け贄の教室

「わ、私いらない…!」


「私も…!」


水月と茉莉花が誠から数歩後ずさる。


『このゲームから棄権することはできません。私に従わなければ殺します』


2人の言葉を遮るように、
声は強い口調で言い放った。

冗談には聞こえない。


「殺す………」


"死" という、普段身近に感じられない感覚に、身体が無意識に震えだした。

私は、震えを止めようと必死に自分の手を握りしめた。


「今は従った方が賢明ね。結局、私たちは袋の鼠なのだから」


蓮香の言うとおり、校内に閉じ込められた私たちになす術などなかった。

進むことはおろか、退く事さえできないのだ。

「そうだね。今は従おう」


蓮香が冷たく告げた言葉に、
遙も同調した。


的を射った蓮香の言葉と、
クラスの中心人物である遙の言葉に納得したのか、

みんなは恐る恐る、タブレットを手にしていった。

真っ黒なタブレット。
まるで、私たちの行く末を暗示しているかのような……。