生け贄の教室



「だって、俺たちは31人。
それだけの人数がいれば、家に帰ってこない子供を心配して、警察に通報してくれる親が1人くらいはいるはずだろ?」



夏期の言葉に、
教室の雰囲気がパァッと変わる。



「たっ、確かに…!私の親、絶対電話する…!」



「うちの親も…!この前彼氏の家泊まってめっちゃ怒られたもん…」



みんなが口々に頷く。

確かに、うちの親だって警察に駆け込むと思う。


だけど、
だけど、

一筋縄ではいかない気がして、
胸騒ぎが止まらなかった。