「私たちは、何者かによって校内に監禁された…」 教室の後ろ、サラサラのボブカットが特徴的な緒方蓮香が声を発した。 普段物静かな彼女の言葉に、クラスメイトたちは驚いた様子で視線を送った。 「誰が、なんのために…!?」 「それは、分からない」 蓮香は詰め寄っきた拓馬を、 睨むような冷たい目で見返す。 「なんだよ……それ……」 拓馬はサッと蓮香から視線を逸らすと、 男子の輪へ戻っていった。