ざわめく教室内。
「お、おい、翔太。何してんの」
綾人が青ざめる翔太に駆け寄る。
「ちっ、ちげぇよ…。開かねぇんだよ…」
鍵が掛かったような扉を
翔太が何度も開けようと試みる。
「おっ、おい、嘘だろ……」
綾人も扉をこじ開けようとする。
しかし、扉は一ミリたりとも動きはしなかった。
「いや……なんなのよ、これ……」
隣にいた雪菜が、
2人の様子を見て
目に涙を溜めていた。
身体も、小刻みに震えている。
「いや…いやーッ!!」
美月が教室の前の方の扉へ走った。
しかし、扉は開きはしない。
一体、なにがどうなっているのだろうか。
私は、ただ呆然と、
異常な光景にざわめくクラスメイトを見ていた。


