「俺、すげぇ奴でもなんでもねぇよ。

仮にすげぇ奴だとしても、こんなに咲良に惚れてんだぞ?」



「はいはい」



「結婚ぐらい、いいじゃねぇか!」



「チャラい!」



「咲良!俺のスティックはな……



「キモい!!!」




あたしは叫びながら笑っていた。

賢ちゃんも笑っていた。

笑いながら幸せだなって思った。





賢ちゃんは冗談かもしれない、あたしに惚れているっていうこと。

チャラい癖かもしれない。

だけど、その度にドキドキしてキュンキュンするあたしは、完全に賢ちゃんの虜。

賢ちゃんを掌で転がそうとして、転がされているのはあたしだろう。

それくらい、賢ちゃんが大好き。